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BtoBマーケティングを成功に導く、ペルソナ・カスタマージャーニー

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BtoBマーケティングを成功に導く、ペルソナ・カスタマージャーニー

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BtoBマーケティングを成功に導く、ペルソナ・カスタマージャーニー

 

 

「ペルソナ」「カスタマージャーニー」。

マーケターなら聞き馴染みのあるこの2つの手法は、一般的にはBtoCの手法として広く浸透しています。

実はBtoBマーケティングにおいてもこの手法を効果的に活用することが成功の鍵となることをご存知でしょうか?

 

今回は、基本的なマーケティング知識のほか、具体的な成功事例も交えながら、BtoBマーケティングを成功に導く、ペルソナ・カスタマージャーニーについて詳しく解説します。

 

 

もくじ

 

 

 

 

「BtoBマーケティング」とは何か?

今では広くビジネス用語として定着したBtoBマーケティング。

BtoBとはBusiness to Businessの略であり、法人向けの取引・マーケティングのことを表します。これとは逆に、一般消費者向けのビジネスのことをBtoC (Business to Customer)と呼んでいます。つまり、BtoBマーケティングとは、『対企業に向けた自社の商品・サービスが売れる仕組みづくり』のことを言います。

 

 

 

BtoB・BtoCマーケティングの違い

取引対象が異なることで、2者のマーケティング活動における特徴も大きく異なります。

 

 

 

1. 受注単価

まず、一般的に個人消費者向けのBtoCと比較すると、法人向けの取引であるBtoBは規模が大きくなるため、受注単価が高いという傾向があります。例えば、BtoCの場合、パソコンの購入は1台で済むケースが多い一方で、BtoBの場合は社員全員分を入れ替えるなど、複数契約を基本とするケースが前提となっています。

 

 

 

2. 決裁者

次に、決裁者の面ではBtoCの場合、個人消費者のため基本的には1人の人を相手としています。しかし、BtoBの場合、企業の中で窓口から実際の決裁者までの間の関係者が複数いるケースが多く、実際の決裁者と対面せず取引が完了する場合もあります。

 

 

 

3. 情報収集の方法や、決済の判断

ネット社会が進む昨今、商品を購入する際には企業のみならず一般消費者もインターネットで事前に対象商品やサービスの情報を入手し、口コミなどを活用した比較検討を重ねることが当たり前となっています。しかし、その情報収集の仕方や、決済の判断についてはBtoBとBtoCではフローが少し異なります。BtoCの場合、SNSなどを活用て情報収集を行い、口コミや評価が背中を後押しし、『個人の嗜好』が最終ジャッジとなり購入に至るケースが多い一方、BtoBの場合は営業や紹介などから認知が広がり、ネット情報も併用しながら相見積もりを取得し、最終的には『最も費用対効果の高いもの』が選ばれる傾向にあります。

 

このように、BtoB/BtoCでは様々な違いがあり、これらを攻略するための戦略や施策もそれぞれ効果的なものを選択する必要があります。

 

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BtoCはもちろん、BtoBにも不可欠な「ペルソナ」とは?

マーケティングにおいて欠かせないもののひとつに「ペルソナ」があります。

ペルソナとは、ユングの提唱した心理学用語のひとつで、自社の製品やサービスの典型的なユーザーを体現する人物像のことを言います。30代、首都圏在住、会社員、男性、既婚・・・といった年齢や職業、学歴、居住地域などの属性をより具体化し、ひとつの仮想人物像を作成します。

 

一般的なターゲット設定とペルソナは何が異なるのでしょうか?

ターゲットは、性別や学歴、居住地域といった属性のみで設定された集団であることに対して、ペルソナは趣味や嗜好などといった詳細情報をより一段深堀りし、特定の人物像を作り上げていきます。ターゲットが大きな集団像であり、ペルソナは一個人レベルまで落とし込む必要があります。

 

ペルソナを設定することで、顧客のニーズをより詳しく把握でき、ターゲットが魅力を感じるアプローチができるようになるため、業務効率化に繋がるといったメリットがあります。

 

ペルソナと言っても、事例を検索するとエンドユーザーなど対個人事例ばかりが表示され、BtoBには関係ないのではないか?と疑問を抱く人も多いのではないでしょうか?

 

冒頭でも少し触れましたが、一見BtoCにのみ有効と思われているこのペルソナという手法、実はBtoBにおいても設定することでマーケティング活動に非常に効果を発揮します。

それはなぜなのでしょうか?

 

BtoBの場合、個人ではなく企業を相手とするため、窓口と決済者が異なるなど担当者が複数存在するケースが多く、決済までの期間も長期化する傾向があります。

そのため、まずは企業ペルソナと、担当者ペルソナの2軸を設定する必要があります。

 

 

ペルソナ設定で有効な項目

BtoC BtoB

・年齢

・性別

・居住地域

・住居情報(持家、実家、賃貸など)

・最終学歴

・職業

・年収

・家族構成

・趣味

・よく使うSNS

・タイムスケジュール

・現在の悩み、課題

・悩みを解決した後のありたい姿

【企業ペルソナ】

・業種

・事業内容

・所在地

・上場区分

・企業規模

・売上高

・資本金

・従業員数

【担当者ペルソナ】

・担当者の役職

・決済権

・部署

・性別

・年齢

・抱えている悩み、課題

・情報収集メディア

 

「BtoBだから、ペルソナは必要ない」という考え方は一徹短慮であり、購買までのプロセスが複雑化するBtoBだからこそ、企業・担当者のペルソナの設定が不可欠と言えるでしょう。

 

逆を言えば、企業ペルソナを設定することで、漠然としていたターゲット像を言語化でき、見込み顧客が具体化され、よりピンポイントなアプローチが可能になります。

また、担当者ペルソナで担当者から決済者への接続を短縮させ、企業が抱えている課題解決への提案を戦略的に実践することができるのです。

その他にも顧客理解が深まり、顧客に寄り添った施策を展開することができます。

顧客に対する認識を共有できることで、スピーディーに意思決定ができるといったメリットもあります。

 

 

 

設定方法から注意点まで、BtoBマーケティングのペルソナ実例

前項で説明したようにBtoCのみならず、BtoBにおいても威力を発揮するペルソナ設定ですが、実は多くの企業が誤った設定方法を行ってしまっています。その理由と陥りがちな注意点を解説します。

 

1.  データの中から人物像を設定する

ペルソナ設定で最も大切なこと。それはファクトをベースに策定することです。資料請求者や既存顧客の購入履歴や属性、行動情報を元に、仮説立てを行います。自社が所有するECサイトやHPなどの顧客の行動データを収集・分析することでより具体的なペルソナを設定することができます。

 

 

 

2. 思い込みや理想像は捨てる

多くの企業が陥りがちなミスのひとつが、企業側が持っている顧客のイメージ像を入れ込んでしまうということです。特に営業に多いのが、実際の顧客とのやりとりの中から独自のイメージを持ち、間隔値で思い込みや理想像を描いてしまっているケースが散見されます。

先入観は捨て、データから読み解いた事実を元にペルソナを設定していくことが大切です。

 

 

 

3. 人物像は1つに絞り込む

ペルソナは複数いた方が良いのではないか?と、複数設定することも、ペルソナ設定で失敗してしまう原因のひとつです。ペルソナを1つに絞り込むことで、社内の多くのメンバー間で「明確な顧客像」の共通認識をもつことができます。

 

 

 

4. ペルソナは定期的に見直しを行う

苦労して作り上げたペルソナですが、社会情勢や顧客層の変化がある限り、定期的な見直しは不可欠です。ターゲットがずれてしまうと、それに伴う戦略や施策もまたブレてしまいます。少なくとも年に1回以上の頻度でしっかりとペルソナの再設定を行いましょう。

 

オンライン上の顧客データの他にも、ユーザーインタビューやアンケート調査もまたペルソナの設定に有効と言われています。あくまでファクトをベースに詳細な企業像・人物像を作り上げていく必要があります。

 

今回は、項目に沿って入力するだけで簡単にペルソナが設定できるテンプレートをご用意しました。どなたでも無料でダウンロードできますので、ぜひ貴社の事業推進にご活用ください。

 

 

※テンプレートはスプレットシートで開きますのでExcelファイルをダウンロードしてお使いください。

無料「ペルソナ設定シート」ダウンロードはこちら

 

 

 

 

BtoBマーケティングを攻略!カスタマージャーニーマップの策定

マーケティング用語で一度は耳にしたことがあるであろう「カスタマージャーニー」。

近年、マーケティングを行う上でカスタマージャーニーが重要視されてきています。

 

BtoBマーケティングにおいても、カスタマージャーニーを可視化することが大切です。

なぜBtoBにおいてもカスタマージャーニーが重要なのでしょうか?

この章では、カスタマージャーニーマップの役割について解説していきます。

 

 

 

カスタマージャーニーとは?マーケターが知っておきたい基本知識

顧客(ペルソナ)が商品・サービスと出会い、購買に至るまでのプロセスを表した「カスタマージャーニー」。直訳すると『顧客の旅』であり、顧客がどのように認知し、興味関心を抱き、商品を購入するのかを示したものです。

これらの一連の流れを可視化したものをカスタマージャーニーマップと呼びます。

 

カスタマージャーニーマップを策定するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

一つは、顧客(ペルソナ)の行動を把握することができます。

スマートフォンやSNSなどインターネットの普及が進む中で、顧客の情報収集や購買までのプロセスが複雑化してきています。

そこで、これまでのマス相手の企業目線のマーケティングではなく、顧客目線に立った施策が求められています。

顧客の心理や行動を軸に商品・サービスを改善し、適切な施策を展開することで、マーケティング活動をより効率化することができます。

 

二つめは、カスタマージャーニーマップの策定により、ペルソナと同様に社内での共通認識を持ちやすくなるという点です。部署間の連携が強化され、情報共有や課題解決に向けた取り組みを実施しやすくなります。

 

最後に、顧客の心理・行動が時系列に可視化されることで、課題に対しての優先順位付けがしやすくなるといったメリットがあります。カスタマージャーニーマップによって見えてきた課題に迅速かつ的確な打ち手を生み出すことができるのです。

 

このように、カスタマージャーニーマップを作り出すことで、プロセスのみならず、ペルソナの思考や感情も言語化できるため、社内の複数にわたる関係部署が一丸となって、最適なアプローチや戦略作りに役立てることができます。

 

 

 

無料テンプレートあり!カスタマージャーニーマップの効果的な作り方

カスタマージャーニーマップは、顧客が商品・サービスを認知し、比較検討の上、購買に至るまでのプロセスごとに、思考や感情、行動について、それぞれ可視化したいわゆる「航海図」です。

今回も項目に沿って入力するだけで簡単にカスタマージャーニーマップを作製できるテンプレートをご用意しました。どなたでも無料でダウンロードできますので、こちらも併せてご活用ください。

 

より再現性の高いカスタマージャーニーマップを描くためには、顧客の思考、感情、行動を理解が必要不可欠です。重要なステップが抜け落ちないためには、売り手側の思い込みによる顧客導線で設計せず、自社が所有するECサイトやHPなどの顧客の行動データを収集・分析し、ファクトに基づいた正しい顧客理解をすることがポイントです。

カスタマージャーニーマップを成果につなげるためには、どれだけ詳細にペルソナを設定できるかが重要なカギを握っています。まずはペルソナ設定の精度を高めることを実践しましょう。

 

 

※テンプレートはスプレットシートで開きますのでExcelファイルをダウンロードしてお使いください。

無料「カスタマージャーニーマップ_テンプレート」ダウンロードはこちら

 

 

 

企業ペルソナで売り上げUP!BtoBマーケティング成功事例

これまで、ペルソナやカスタマージャーニーマップの重要性について解説してきました。ここでは企業ペルソナの設定により、BtoBマーケティングの効率化、売り上げアップに成功した具体的な事例をご紹介します。

 

 

 

事例1:日立グローバルライフソリューションズ

業務用の白物家電や住宅設備機器、空調機器などを販売している日立グループの電機メーカーである日立グローバルライフソリューションズ。

同社は、設備店約1,800社にアンケート調査を実施し、8割を占めた10名以下の設備店へはインタビューも行い、ペルソナ像「旭立(あさひだち) 信彦」を作成しました。

これにより、エンド・ユーザーと日々接している設備店が抱えている課題やニーズが明確化され、どのような情報を求めているのかを把握できるようになり、設備店に対する適切なサポートに成功しました。

ペルソナ像「旭立 信彦」に沿ったマーケティングによって、同社の販促ツールもリニューアルしたことで、業務用エアコン市場のシェアが9.8%から11.1%へと増加しました。

(参考:Adobe「ペルソナデザインとは?その作成方法やマーケティング活動方法をご紹介」)

 

 

 

事例2:シナジーマーケティング株式会社

クラウドCRM関連製品及びサービスの提供、戦略構築支援を行うシナジーマーケティング株式会社。これまで製品開発やプロモーション企画など部門ごとにペルソナを制作・運用していました。複数部門またはプロジェクトごとに制作されたペルソナは共感されず活用されることがないという課題を抱えていました。そこで、共感を醸成しつつも効率化を目指すべく、部門間で共通認識できる地図のようなペルソナを制作・運用するためのプロジェクトを立ち上げました。その結果、これまでバラバラに活動していた部門が協力して、上司に指示されることなく自主的に問題解決にあたるようになり、自社都合のストーリーや表現を、お客様視点に置き換えた議論が活発化しました。

 

このようにペルソナはBtoBにおいても顧客理解に繋がり、業務効率化、売り上げ改善の面で大きな影響を与えてくれるのです。ペルソナの抱える「負」を理解し、課題解決に向けた取り組みをタイムリーにかつ戦略的に行うことで、より効果的なマーケティング・営業を実践することができるでしょう。

(参考:シナジーマーケティング株式会社「BtoBマーケティングにおける「ペルソナ」活用のポイント」)

 

 

 

まとめ

いかがでしたか?BtoB/BtoC、双方にとってマーケティング成功の鍵を握る「ペルソナ」と「カスタマージャーニー」。ペルソナの精度をどこまで高められるかは、顧客に関する詳細な情報をどれだけ集められるかにかかっています。今回ご紹介した無料テンプレートを活用しながら、ぜひペルソナとカスタマージャーニーマップを書き出してみましょう。

 

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