Cookie規制とは?開始時期や影響・対策を分かりやすく解説
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私たちが普段利用している、スマホやPCからのネット閲覧時に、時折「Cookieを有効にしてください」という表示が現れることがあります。
このポップアップに対して、何気なく「OK」を選んで進んでしまっていませんか?
Cookieの役割をよく理解しないままだと、後から不利益を被ることも…。
また、2023年6月から、改正電気通信事業法に伴い「Cookie規制」が開始し、営業やマーケティングに多大なる影響が生じています。
ぜひこの機会に、Cookieについて深く理解し、早急に対応策を進めていきましょう!
もくじ
- そもそもCookie(クッキー)とは何か?
- Cookieを使うメリット
- Cookieを使用するデメリット
- 「改正電気通信事業法」の施行で、2023年6月16日から何が変わったのか?
- 外部送信規律(Cookie規制)で、事業者がやらなければいけないこと
- Cookie規制が及ぼす影響
- Cookie規制における、マーケティング部署がとるべき対応策
- Cookie規制に有効なFutureSearchの2つの機能
- まとめ
そもそもCookie(クッキー)とは何か?
CookieはWebブラウザに保存される小さなテキストファイルであり、ウェブサイトとユーザーの間で情報をやり取りするために使用されます。例えば、一度ログインした状態で離席し、数分後に戻ってきたときに、ログイン状態が保持されており、そのまま続きの動作を行うことができるのも、Cookieがブラウザ上に情報を保持してくれているおかげなのです。
このように、Cookieを有効にすることで、ユーザーはインターネット上の操作をスムーズに行うことができます。
Cookieには2種類ある
実はCookieは、厳密にいえば2つの種類に分類できます。
ファーストパーティーCookieはユーザーが直接アクセスしているウェブサイトから送信されるCookieであり、そのウェブサイトの機能をサポートするために使用されます。一方、サードパーティーCookieは異なるドメインやウェブサイトから送信されるCookieであり、広告やトラッキングなどの目的で使用されます。
ファーストパーティー
ユーザーが直接アクセスしているウェブサイトから送信および受信されるCookieをファーストパーティーと呼びます。現在ユーザーが閲覧しているウェブサイト自体がCookieを作成し、それを使用して情報を保持します。例えば、ユーザーの設定や状態の保存、ログイン情報の記憶、ECサイトのカート情報保持などで使用されます。
このように、ファーストパーティーCookieは、ウェブサイトのパフォーマンス向上やセッション管理、ユーザーエクスペリエンスのカスタマイズなど、ウェブサイト自体の機能をサポートするために使用されます。
サードパーティー
これに対して、サードパーティーは、ユーザーがアクセスしているウェブサイトとは異なるドメインやウェブサイトから送信および受信されるCookieです。ウェブサイト上の広告やトラッキングサービスの提供元が、ユーザーのブラウザにCookieを作成して使用します。これにより、異なるウェブサイト間でユーザーの行動を追跡したり、広告をパーソナライズしたりすることが可能になり、広告ターゲティングや分析、ユーザー行動の追跡などの目的で使用されます。
プライバシーの観点から、サードパーティーの使用が制限される場合があり、一部のウェブブラウザではデフォルトでサードパーティーがブロックされる設定になっていることもあります。
Cookieとキャッシュの違い
Cookieと似たような機能として、キャッシュを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?しかし、似ているようで、この2者は目的や機能が大きく異なります。
Cookieはウェブサイトとユーザーの間で情報をやり取りするために使用されます。一方、キャッシュはウェブページの読み込み速度を向上させるために使用されます。そのため、保存されるデータの種類も異なり、Cookieは設定、状態、識別情報などといったウェブサイトとユーザーに関連する情報を保持します。しかし、キャッシュは画像、スタイルシート、スクリプトなどのウェブコンテンツを保持するものです。
また、Cookieはユーザーのブラウザに保存されるのに対して、キャッシュは一時的なストレージとしてウェブブラウザ内に存在します。
どちらもウェブブラウジングの効率性やパフォーマンスの向上に役立つ機能ですが、その目的や機能、有効期限もすべて違いがあるのです。
Cookieを使うメリット
ウェブブラウザに保存され、特定のウェブサイトとのやり取りに関連するデータを保持してくれるCookieですが、Cookieを使うことで得られるメリットとはどのようなものでしょうか?
ユーザーを識別し、ログイン情報や設定などのセッションデータを保存できる
Cookieはセッションを管理するために使用されます。ウェブサイトがユーザーを識別し、ログイン情報や設定などのセッションデータを保存することができます。ユーザーがウェブサイトを離れても、Cookieによってセッションの状態を保持し、再訪時にいちいちログインし直さなくても正しい状態を復元することができます。
ユーザーの設定や選好を記憶し、個別のユーザーエクスペリエンスを提供できる
また、Cookieは個人の言語設定やテーマの選択、カートに追加した商品の記憶など、ユーザー一人ひとりに合わせた情報や、サービスを提供することができます。
ウェブサイトのトラフィックパターンやユーザー行動の追跡に使用できる
Cookieは、ユーザーの追跡と行動分析など、マーケティングにも役立ちます。ウェブサイトがCookieを使用してユーザーの訪問履歴や行動を追跡することで、より良い分析やマーケティング施策を行うことができます。
ターゲティング広告に有効
Cookieは、ユーザーの興味や行動履歴に基づいて、よりパーソナライズされた広告を提供することができるため、ユーザーに関連性の高い広告を表示するターゲティング広告にも有効です。
Cookieを使用するデメリット
しかしながら、Cookieにはプライバシーの懸念も存在します。Cookieによって個人の情報が追跡される可能性があるため、プライバシー保護の観点から注意が必要です。
Cookieを利用する際のデメリットについても、しっかり理解しておきましょう。
プライバシーの懸念
Cookieはユーザーの情報を追跡するために使用されるため、プライバシーの懸念があります。Cookieに保存される情報が第三者によって不正に利用される可能性があり、個人のプライバシーが侵害される恐れがあります。
セキュリティリスクがある
Cookieはブラウザに保存されるため、悪意のあるユーザーや攻撃者がCookieを盗み出すことで、不正なアクセスやなりすましの可能性があります。このようなセキュリティリスクに対処するためには、適切なセキュリティ対策や暗号化が必要です。
ユーザーエクスペリエンスの低下
Cookieが多数のウェブサイトで使用されると、ユーザーのブラウザに大量のCookieが蓄積されていきます。これにより、ブラウザのパフォーマンスが低下したり、ストレージ容量が消費され、ユーザーが感じる使いやすさ、感動、印象が低下する可能性があります。
クロスデバイスの制約
Cookieは特定のデバイスやブラウザに紐づいているため、異なるデバイスやブラウザを使用する場合、Cookieの情報が共有されず、一貫したユーザーエクスペリエンスが提供できない場合があります。
コンプライアンスの要件
すでに、一部の国や地域では、Cookieの使用に制限を設ける法律や規制が導入されています。実は日本においても、すでにCookie規制がスタートしており、ウェブサイト運営者はこれらの規制に準拠する必要があります。
「改正電気通信事業法」の施行で、2023年6月16日から何が変わったのか?
私たちの暮らしの中で当たり前のように使われている、パソコンやスマートフォン。SNSや、動画共有サイト、ニュース配信、検索等のサービスを通じ、多くの情報流通がスマートフォン等を経由して行われています。
これら電気通信事業を取り巻く環境変化を踏まえ、電気通信サービスの円滑な提供及びその利用者の利益の保護を図ることを目的とし、①情報通信インフラの提供確保、②安心・安全で信頼できる通信サービス・ネットワークの確保、③電気通信市場を巡る動向に応じた公正な競争環境の整備の措置が取られることとなりました。
この措置のひとつとして、外部送信規律(いわゆるcookie規制)が該当しており、2023年6月16日の施行とともに、Cookie規制がスタートしました。
外部送信規律(Cookie規制)とは?
オンラインサービスを無料で提供するプラットフォーム事業者において、ユーザーに関する情報が取得・集積される傾向が強まっています。ユーザーにとっての利便性が高まる側面もある一方で、ユーザーが知らないうちに影響される可能性も高まっています。特に、ウェブサイトやアプリケーションを利用する際、ユーザー自身が認識していない状態で、ユーザーの端末から第三者に自身の情報が送信されている場合があります。
(出典:外部送信規律について [総務省総合通信基盤局])
このようなことを踏まえ、2022年6月、電気通信事業法が改正され、タグや情報収集モジュールを使って、利用者に関する情報を外部に送信する場合に、利用者が確認できるように する規律が設けられました。
外部送信規律(cookie規制)の対象者
次のような電気通信役務をブラウザ又はアプリケーションを通じて提供する際に、利用者の端末に外部送信を指示するプログラム等を送信する場合、通知又は公表(利用者が容易に知り得る状態に置く)、同意取得、オプトアウト措置のいずれかを、利用者に対して行う必要があります。
1.メッセージ媒介サービス
メッセージングアプリなど、特定の利用者間のメッセージ交換をテキスト、音声、画像、動画によって媒介するもの。ビジネスマッチングサイトやオンラインゲームなど、サービスの一部として特定の利用者間でのダイレクトメッセージ機能を提供している場合も含む。
2.SNS
不特定多数の利用者間での、テキスト、音声、画像、動画の投稿・閲覧機能により発信者と閲覧者がやりとりを行う「 場 」を提供するもの。
3.検索サービス
広範なWebサイトのデータベースを構築し、検索語 を含むWebサイトのURL等を、利用者に提供するもの。
4.ホームページの運営 [ニュースサイト、まとめサイト等各種情報]
インターネット経由で天気予報やニュース、映像などの情報を利用者へ提供するもの。ただし、自社商品等のオンライン販売や、企業等のホームページ運営・個人ブログは対象外。
外部送信規律(Cookie規制)で、事業者がやらなければいけないこと
外部送信規律に伴い、対象者は次の事項を、通知又は利用者の容易に知り得る状態にしておく必要があります。
送信されることとなる利用者に関する情報の内容の通知・公表
つまり、ユーザーにとってどのような情報が送信されるのかを明確に言語化しておくことが大切です。
情報を取り扱うこととなる者の氏名又は名称の通知・公表
その情報が、誰に対して発信されるのか、その企業やサービスの名称を公表します。
情報の利用目的の通知・公表
その情報を何の目的で送信し、何に利用するのかを明示しておきます。
これらの情報は、日本語で記載し、専門用語は使わず、平易な表現で拡大・縮小等の操作を行うことなく文字が適切な大きさで表示されるようにする必要があります。
Cookie規制が及ぼす影響
今回施行された外部送信規律(Cookie規制)によって、何が一体どのように変わっていくのでしょうか?ここでは主に、マーケティングの観点で受ける影響について解説していきます。
ユーザー動向が取得できなくなる
これまで得られていたオンライン上で顧客が商品やサービスを購買するまでのプロセスが、Cookie規制によりユーザーの行動データ収集に規制が入ることで、Webサイトに残るユーザーの足跡が見えづらくなります。
これに伴い、自社の製品・サービスに興味を持つユーザーの特定が難しくなり、タイムリーなアプローチや施策展開に影響を及ぼす可能性があります。
リターゲティング広告の効果が低下する
サードパーティーCookieの活用により、特定の企業に広告表示を行うリターゲティング広告もまた、Cookie規制により大きな影響が生じています。Cookieが利用できないため、一度サイトに来訪したユーザーに広告配信できなくなり、CV獲得に対する費用対効果が薄くなることが想定されます。
ビュースルーコンバージョンが正しく計測できなくなる
ある広告を見たユーザーが、初見ではクリックしなかったものの、その後に別ルートでサイトを訪問し、コンバージョンに至ることを、ビュースルーコンバージョンと言います。これもまた、Cookie規制により、ユーザー情報の保持が難しくなるため、数値を正しく計測できなくなるといった課題が生じています。
このように、これまで取得できていたユーザー情報や、数値の正確な計測ができなくなるなど、多大な影響が生じているCookie規制。
営業・マーケティングを正常化させるためには、Cookie規制に対する対応策が急務となっています。
Cookie規制における、マーケティング部署がとるべき対応策
サイトを訪問するユーザーの特定が難しくなり、ユーザー動向の把握や、リターゲティング広告、CVの計測など広範囲に影響を及ぼすCookie規制。今できる対応策はどのようなものがあるのでしょうか?
Cookieを使わない広告手法を導入する
日本でシェアの高いWebブラウザ「Safari」では、2020年3月にプライバシー保護機能強化を目的とし、サードパーティーCookieをデフォルトでブロックしました。また、Google社も2024年を目処にCookie廃止を明言していることから、今後Cookie廃止の動きが加速していくことが想定されます。Cookie規制が与える影響は多大であり、今後はCookieを使用しない代替手段や、ユーザーに選択肢を提供するオプトアウト機能なども検討することが重要です。
オウンドメディア、SNSなど広告以外の手法を強化する
これまで得られていたユーザー動向や、データ分析が難しくなる中で、これまで以上の受注を獲得するためには、問い合わせフォーム営業など、見込み顧客に対する直接的なアプローチ手法を強化することが大切です。
特に、オンラインを介したリターゲティング広告など、Web広告の効果が低下する中で、Cookieに依存しない営業・マーケティング手法の活用が必要です。
ニュースリリース収集サービスを活用し、企業動向をキャッチアップ
特にBtoBマーケティングにおいては、Cookie廃止に伴い、リターゲティング広告の効果低減など、これまで以上にリードの行動履歴の把握が難しくなります。目まぐるしく動く業界動向をキャッチアップするためには、リリース情報をコンスタントに収集し、ターゲット企業や競合各社の「企業ニュースの活用」を行うことが大切です。
Cookie規制に有効なFutureSearchの2つの機能
営業・マーケティングに大きな影響を及ぼしているCookie規制。
今後見込まれるCookie廃止の前に、早期に先手を打つ必要があります。
ここからは、Cookie規制・廃止に伴う、営業・マーケティング施策に有効なFutureSearchの2つの機能をご紹介します。
ホットリードが可視化できる「サイト訪問企業一覧」
営業やマーケティング効率を高めるには、膨大な量の見込み顧客の中から、確度の高い見込み顧客を見つけ出し、アプローチがすることが大切です。
サイト上におけるユーザー設定、状態、識別情報などといったウェブサイトとユーザーに関連する情報を保持するCookieは、ユーザーの追跡と行動分析に役立ちます。
一方、「サイト訪問履歴一覧」はサイトを訪れた『ホットリード』を可視化し、直接的にタイムリーなアプローチをしかけるための強力な武器として役立てることができます。
確度の高い見込み顧客は、もしかしたらすでに貴社の製品・サービスに興味を抱き、ホームページを閲覧しているかもしれません。Webサイトに来訪した企業の可視化とその閲覧履歴ができれば、競合企業よりも先にタイムリーなアプローチを仕掛けることができます。
自社のWebサイトに訪問した企業をIPアドレスから特定・計測し、自社に興味がある企業をリアルタイムで特定できる「サイト訪問企業一覧」は、サイト訪問した企業リストをダウンロードして、営業リストとして利用できます。
自社サイトに興味を持つ特定企業をリストアップできるため、確度の高いアプローチを行えます。
<サイト訪問企業一覧でダウンロードできる項目>
- 法人名称
- 法人番号
- サイトURL
- 事業内容
- 企業特色
- 郵便番号
- 住所
- 電話番号
- FAX番号
- 設立年月日
- 従業員数
- 代表者名
- 資本金
- 上場区分
- 業種
- 最終アクセス日
- セッション数
- 流入元
このように、アプローチに必要な企業情報を一括でダウンロードできるため、タイミングを逃さず、タイムリーにアプローチができます。また、企業の訪問回数・訪問日の可視化のほか、特定の条件での並び替えや絞り込みをすることも可能です。
Cookie規制によって見えなくなっていたユーザーが興味を持っている製品・サービスを把握でき、頻繁にアクセスはあるけれど、お問い合せがない見込み顧客を特定できるなど、営業・マーケティングに有効なメリットが豊富にあります。
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企業ニュースが毎朝届く「リリースタイムズ」
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「サイト訪問企業一覧」で自社に興味を持ってくれている企業を特定し、さらにその企業の動向を「リリースタイムズ」でリアルタイムに把握しておくことで、アプローチのきっかけとなる話題やタイミングのキャッチもスムーズに行うことが可能となります。
タイムリーなリリースキャッチで、競合他社の一歩先を行きましょう!
関連記事:企業情報収集サービス「リリースタイムズ」
まとめ
いかがでしたか?
すでにCookie規制は始まっており、営業・マーケティングに与える影響は大きく、これまでの手法では、ユーザー動向が見えなくなり、リターゲティング広告の効果低減、広告計測など、さまざまな課題が生まれています。
これはCookie規制による影響のはじまりであり、段階を経て、将来的なCookie廃止の動きも加速しています。
社会全体でのプライバシー保護が進むなか、遅かれ早かれ、企業として対応が求められることが予測されます。本記事で、Cookieの基本と規制が与える影響を正しく理解し、早急な対策を進めていきましょう。