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経営者・マーケター必見!「SDGs」を活用したマーケティング戦略

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経営者・マーケター必見!「SDGs」を活用したマーケティング戦略

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経営者・マーケター必見!「SDGs」を活用したマーケティング戦略





最近よく耳にする「SDGs」という言葉。
ビジネスにおいて新たな事業機会の獲得や、リスクの低減、『共通言語』としてのコミュニケーションツールなど、企業活動に大いに活用できるため、「SDGs」に取り組む企業が増えています。
今回は経営者やマーケターが知っておきたい、「SDG」がビジネス・マーケティングに与える影響と、取り組み企業事例と課題、そしてSDGsマーケティングの始めかたについて解説します。

 

この記事はこんな方におすすめです
  • SDGs(持続可能な開発目標)をビジネスやマーケティングにどのように活用できるかについて知りたい経営者
  • SDGsとは何か、そしてCSRとの違いを知りたいマーケター
  • SDGsに取り組んでいる企業の事例を知りたい方
  • SDGsがマーケティングに与える影響を学びたい方




もくじ

 

 

多くの企業がはじめている「SDGs」とはなにか?

SDGsとは、『持続可能な開発目標』(Sustainable Development Goals:SDGs)のことで、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、 2015年9月の国連サミットで採択された2016年から2030年までの国際目標です。

 

貧困や気候変動など世界が直面する課題解決と持続可能な経済・社会づくりのため、環境や平和、教育、貧困、 経済産業など17の共通目標の達成を開発途上国や先進国といったすべての国で目指す取り組みのことを指します。



SDGs 世界を変えるための17の目標





SDGsの目標は、持続可能な未来を構築し、地球上の誰もが健康で豊かな生活を送れるようにするための共通の努力を促進することを目的としています。

 

1.貧困をなくそう (No Poverty)

2.飢餓をゼロに (Zero Hunger)

3.健康な生活をすべての人に (Good Health and Well-being)

4.質の高い教育をみんなに (Quality Education)

5.ジェンダー平等を達成しよう (Gender Equality)

6.安全な水とトイレを世界中に (Clean Water and Sanitation)

7.安価でクリーンなエネルギーを (Affordable and Clean Energy)

8.働きがいも経済成長も (Decent Work and Economic Growth)

9.産業、技術、そしてイノベーションの基盤を築こう (Industry, Innovation, and Infrastructure)

10.不平等をなくそう (Reduced Inequality)

11.住み続けられる都市とコミュニティを (Sustainable Cities and Communities)

12.つくる責任、つかう責任 (Responsible Consumption and Production)

13.気候変動とその影響に対処しよう (Climate Action)

14.海の豊かさを守ろう (Life Below Water)

15.陸の豊かさも守ろう (Life on Land)

16.平和と公正をすべての人に (Peace, Justice, and Strong Institutions)

17.パートナーシップで目標を達成しよう (Partnerships for the Goals)

 

このように、SDGsは地球全体での持続可能な発展を促進し、将来の世代に良好な環境と生活を提供するための道しるべとなるものです。



SDGsCSRの違い

 

SDGsの取り組みには、国のみにならず企業や個人など一人ひとりの実践が求められています。かつてSDGs採択以前の日本では、企業は環境保全やボランティア、寄付活動といった「CSR(企業の社会的責任)」を意識した取り組みに注力していました。

 

CSRCorporate Social Responsibilityという文字通り、自社の利益のみを追求するだけではなく、 消費者・従業員・株主といったすべてのステークホルダーから信頼を得るための社会貢献活動のことを言います。

 

CSRが利益を追求しないボランティア活動に対して、SDGsはビジネスを用いて社会貢献を行うことができます。

 

 

 

 

 

ブランドとSDGs

SDGsは環境の保護や社会的な公正など、持続可能性に関する目標を含んでいます。ブランドがこれらの目標を支持することで、環境に配慮し、倫理的なビジネス実践を推進できます。また、持続可能な開発に徹することで、企業の信頼性や評判が向上し、ブランド価値が高まる可能性があります。ブランドがSDGsに取り組む際には、単なるパフォーマンスやマーケティング手法としてではなく、本質的な取り組みとして実行する必要があります。SDGsに取り組むことで、企業は社会的責任感を示し、より広い社会とのつながりを強化できます。

 

 

 

SDGsがマーケティングに与える影響

 

産業構造は猛スピードで変化し、新しい価値観が次々と生まれています。企業が生き残っていくためには新しい「価値」を生み続けなくてはなりません。ブランド総合研究所が行った調査によると、SDGsへの取り組みとして最も際立っているのは「トヨタ自動車」です。

 

 

2位には「パナソニック」がランクインし、3位と4位には「日産自動車」「本田技研工業」など、自動車業界の主要企業が続きます。また、5位には「サステナブルな未来」をキャッチコピーに掲げ、「JFEスチール」が注目される形でランクインしました。

 

トヨタ自動車は、20203月期の決算説明会で社長が「SDGsに本気で取り組む」と宣言し、CO2削減のための取り組みや交通死傷者低減への取り組み、 持続可能な街づくりやモビリティ向上といったSDGsの目標達成への取り組みを本格化させています。

 

SDGsは、企業のブランド評価と信頼性向上のほか、新たな市場の創出など、マーケティングに多大な影響を与えます。企業は社会的価値と経済的価値の両方を追求することで、持続可能なビジネスモデルを構築し、成功を収めることができるのです。

 

SDGs17の目標達成のために貢献している国別ランキング

 

2023年のSDGs達成度国別ランキングによると、1位は3年連続でフィンランド、次いでスウェーデン、デンマークと欧州の国々がランクインしています。

 

1位:フィンランド(86.76

2位:スウェーデン(85.98

3位:デンマーク(85.68

4位:ドイツ(83.36

5位:オーストリア(82.28

6位:フランス(82.05

7位:ノルウェー(82.00

8位:チェコ共和国(81.87

9位:ポーランド(81.80

10位:エストニア(81.68

 

日本は、21位と2017年の11位が最高で、年々順位を下げており、SDGs対策において世界から遅れをとっていることが分かります。特に「ジェンダー平等」、「つくる責任 つかう責任」、「気候変動対策」など、6項目では深刻な課題を抱えており、国を挙げて取り組むべき問題であると認識されています。

 

SDGsは単なる社会貢献だけでなく、消費者の共感を得ることができます。もはやSDGsへの評価はマーケティングやブランドイメージ戦略に欠かせないものとなっているのです。このように、国内だけではなく世界中の多くの国で、日本企業によるSDGsへの取り組みが始まっています。SDGsマーケティングにおいては一般的なビジネスよりも長めの10年単位での中長期的な目線で計画的にビジネスを構築することが大切だと言われています。

 

 

SDGsに取り組んでいる企業事例

ここからは、実際にSDGsの取り組みを行い、事業の発展に成功した事例をご紹介していきます。

 

1. 味の素株式会社

「うま味」の発見を創業の礎としている味の素グループは、アミノ酸の研究・開発で世界的なリーダーシップを発揮し、世界各地域の文化に根差したビジネスを展開しています。
あらゆる国に住む人々の栄養課題を解決すべく、「地球持続性」「食資源」「健康なこころとからだ」の3つに対して、事業を通じて貢献していく意思を示しました。

味の素では事業で産み出す未来の価値を、経済価値とSDGsで表わされる社会価値双方で表わすことを重視し、商品の売上などの経済価値KPIに加え、 それによって社会にどのような価値が生まれるかという社会価値KPIの目標もあわせて設定。
商品を通じた日本型食生活の改革として、多彩な商品群を活用し「勝ち飯®」「減塩」など具体的なレシピ提案でASVとSDGsの実現を目指しています。

 

 

2. サラヤ株式会社

「100万人の手洗いプロジェクト」として、商品の出荷額1%をウガンダにおけるユニセフの手洗い普及活動の支援を行い、市民と医療施設の2方向から『手洗いを基本とする衛生の向上のための取組』 を推進したことが評価され、2017年に第1回 「ジャパンSDGs アワード」SDGs推進副本部長(外務大臣)表彰を受賞しました。

途上国の衛生に貢献するほか、感染症のリスクに備えた商品とサービスの提供、持続可能な原料調達と地球環境の保全や世界各国のニーズに対応したグローバルガバナンスの強化を目指し、 新しい商品やサービスの提供により新市場を創造しています。

 

3. パタゴニア株式会社

世界的アウトドアブランドであり、再生プラスチック素材を用いたアパレルなど、サステナブルな取り組みで知られているパタゴニア。
自身が登山家であり、パタゴニアの代表であるシュイナードは1972年頃に会社の売上の70%を生み出すピトンが岩を傷つけ、 自然に害を与えていることを知って製造をやめることを決断し、新たなプロダクトの開発に乗り出しました。
「故郷である地球を救うためにビジネスを営む」と発言し、2016年には「ブラックフライデーの売り上げの100パーセント、すなわち全額を、 未来の世代のために空気や水や土を守ろうとローカルコミュニティで活動する草の根環境保護団体に寄付します。」と宣言。
結果的には全世界合計で過去のブラックフライデーの売り上げの記録を塗り替える1,000万ドル(約11億円)という予想の5倍の売上を達成し、全額寄付という発言は大きな広告効果をもたらしました。
パタゴニアが製品中心マーケティングから共感的マーケティングを実現した瞬間でした。

その後同社の売上は、年間8億ドル規模に達し、自然を愛する人々に支持されており、 2019年には国連で最高の環境賞である地球大賞(UN Champions of the Earth Awards)を受賞しています。

 

 

4. 秋田県 仙北市

仙北市は国連が定める「持続可能な開発目標(SDGs)」(※)の達成に向けた優れた取組みを提案した全国29自治体の一つとして2018年に国から「SDGs未来都市」に選定されました。

直面する深刻な人口減少問題等の課題解決を図るため、SDGsの考え方を積極的に活用し、経済、社会、環境の三側面の取組による相乗効果が期待できる施策を実施し、 人口縮小の状況にあっても、第2次総合計画で目標とする「小さな国際文化都市」として、市民と行政の協働による誇りあるまちづくりを進め、産業が活性化され、 市民が生活の豊かさを実感できるようになっている姿を目指しています。

 

5.イオン株式会社

イオンでは、「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」という基本理念に基づき、「持続可能な社会の実現」と「グループの成長」の両立を目指しています。全国のイオンモールでは「わたしのまちのSDGs」というプロジェクトを通じて、顧客と協力してSDGsを実践する特別なイベントが展開されています。また、この取り組みにおいては、イオン環境財団が中心となり、植樹活動や「イオン生物多様性みどり賞」の表彰など、積極的な取り組みを展開しています。

 

 

6.生活くらぶ

国産、無添加、減農薬といったこだわりの安心食材を提供する生活くらぶは、生産から消費、廃棄までの全プロセスにおいて、「安全・健康・環境」を最大限に追求しています。2015年からは、サスティナブルなひと、生活クラブをスローガンとし、限られた資源を未来の世代と共有することを宣言しています。そして、組合員と生産者が対等で主体的に参加し、地域社会における希望に満ちた持続可能な発展を築くために積極的な取り組みを行っています。ローカルSDGsの形成を通じて、この社会の持続可能性を向上させることを目標としています。

 

企業のほかにも、高校生によるSDGsの目標達成に向けたアイディアコンテストの実施など、SDGsを起点とした社会課題解決に向けた行動を実施する団体も増えてきています。

 

SDGsに取り組むことで企業や自治体が抱える『課題解決』から『社会貢献』、『イメージブランド戦略』までを担うことができるのです。

 

 

SDGs取り組みの課題

SDGs取り組みの課題として、「誰も置き去りにしない」「全世界」「貧困解決」といった壮大な言葉はグローバルな概念であるため、「具体的には何から始めてよいのか分からない」という企業の声が散見されます。
また、CSRと混同し、ボランティアや慈善事業といった社会貢献のみに注力し、ビジネスにつなげることが出来ないというケースも見受けられます。
しかし、SDGsの目標達成には、短期的ではなく中長期的な計画が必要です。
そのためにはSDGsはビジネスへつなげることが重要なのです。

では、SDGsマーケティングをどのように始めたら良いのでしょうか。
SDGsマーケティングにおいて大切なことは新しいことを始めるのではなく、まずは自社の事業や取り組みをベースに企業課題を見出し、 SDGsの考え方を活用して課題解決や社会的価値創出を行うことが大切です。

従来のビジネスモデルや文化との整合性を測り、SDGsを正しく選定し、アクションを実行していきましょう。

 

SDGsマーケティングの始めかた

では、SDGsマーケティングをどのように始めたら良いのでしょうか。

SDGsマーケティングにおいて大切なことは新しいことを始めるのではなく、まずは自社の事業や取り組みをベースに企業課題を見出し、 SDGsの考え方を活用して課題解決や社会的価値創出を行うことが大切です。

 

この章では、具体的なステップとともに詳しく解説していきます。

 

市場向け SDGs コミュニケーション

実際にSDGsをマーケティングに生かすためには、まず初めに、組織内外のステークホルダーと対話が必要です。従業員や経営陣、顧客や地域社会など、SDGsに対する関心や期待を把握し、自社の事業モデルとSDGsの目標とを整合させ、どの目標にフォーカスするかを選定します。事業活動がSDGsにどのように貢献できるかを特定しましょう。

 

 

持続可能な開発目標に基づく新規事業展開

次に、持続可能な事業モデルを設計します。SDGsへの貢献が組織のビジネスモデルにどのように組み込まれるか、サステナビリティの原則をどのように取り入れるかを検討します。この際、他の組織や企業、NGOとのパートナーシップを築き、共同で持続可能な解決策を見つけ出すことが大切です。

 

 

市場でのブランドイメージの最新動向

SDGsに対する取り組みを明確に伝えるためのメッセージを開発しましょう。どのSDGsに焦点を当てるのか、透明性と説明責任を持って、実践のプロセスを強調することで、ブランドの価値が向上します。

事業が進むにつれて、SDGsへの貢献を定期的に評価し、必要に応じて戦略を調整・改善していきます。進捗状況の定量的な測定が、成功の鍵を握ります。

 

 

ちなみに:「FutureSearch」で考えるSDGs貢献とは?

新規顧客開拓における、営業支援サービスを提供している「FutureSearch」では、インターネット上に散在するオープンな企業情報を集約し、 価値のある情報を誰もが簡単に閲覧できる状態にすることで少ないリソースでの営業活動が実現でき、 SDGsの指標である『働きがいも経済成長も』や『産業と技術革新の基盤を作ろう』に貢献しようと考えています。

営業にとって課題となる、見込み顧客の創出や、アポ取りなど、手間も時間もかかる作業を、誰もが欲しい時に簡単に手にいられる仕組みを作り、業務を効率化できる営業支援ツールの提供を行っています。

 

 

新しい価値を生み出すことにより、社会の役に立つことを目標に「人材不足」「若手営業の教育」「労働時間の削減」「生産性向上」といった営業現場の悩みを解決し、 今後も安定したサービスを提供し続けることで持続可能な社会づくりの取り組みを推進してゆきます。


FutureSearchが提供する営業支援サービスの詳細はこちら

 

 

まとめ:SDGsを活用し、戦略的マーケティングを成功させよう

 

SDGsは誰にでも関わりのあるテーマです。広くニーズがあり、SDGsをマーケティングの軸に置くことで頭打ちになっているこれまでの手法から脱却することができ、 なおかつ社会問題への貢献に積極的な企業の商品やサービスはユーザーの購買意欲も高く、売上アップにつながるとされています。

 

このような点からもSDGsに取り組んでいる企業はどんどん増えています。

 

 

 

SDGs指標とマーケティングの交点を見出し、2030年までの長期スパンでの企業の在り方や事業課題を見直し、マーケティングを通してSDGsに取り組みましょう!

 





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