潜在顧客から顕在顧客へ - リードを確実に掘り起こす秘訣
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営業でよく耳にする、見込み顧客と潜在顧客。
両者には実は微妙な違いがあります。顧客獲得は営業のみならず、企業の命運を左右する重要な課題です。しかし、潜在顧客から見込み顧客へと導くプロセスは、時に困難を伴います。市場は競争が激しく、お客様の関心を惹きつけるのは簡単ではありません。
ビジネスの世界では、これらの概念の理解が成功を左右する要因となります。
この記事では、見込み顧客と潜在顧客の違いや、リードを確実に彫り越す秘訣について紹介し、リードナーチャリング(顧客育成)の方法についても解説していきます。
もくじ
- 潜在顧客とリード(見込み顧客)の違いとは?
- 営業パイプラインを上手く回すための基本概念
- 潜在顧客からリードを掘り起こすポイント
- リードを効果的にナーチャリングするには
- 成果を測定するための4つの指標
- 潜在顧客から顧客化へ!ナーチャリング成功事例
- 見込み顧客の獲得から顧客管理まで!FutureSearchにお任せ
- ABMを最大限に効率化できるDXツール「Sales Rader」
- まとめ:継続的なフォローが成約につながる
潜在顧客とリード(見込み顧客)の違いとは?
新規開拓の際に欠かせない見込み顧客と、潜在顧客。この2者は似ているようで、実は違いがあります。
潜在顧客
潜在顧客とは、企業の製品やサービスに対して関心を持っている可能性があるが、具体的な問い合わせやアクションは起こしていない企業や個人のことを表します。
リード(見込み顧客)
一方、リードとは、将来的に自社の顧客になる可能性のある企業や個人のことを指します。「関心を持っている」「興味関心を持っている」「製品やサービスを比較検討している」「購入予定」という4つの段階があり、前者2つが潜在顧客、後者2つが顕在顧客に該当します。
潜在顧客は、課題や問題は存在するものの、それを解決する製品やサービスを認識していない状態にあります。しかし、適切なアプローチを行うことで、彼らを顕在顧客に、さらには顧客やファンへと育て上げることができます。潜在顧客層は顕在顧客層と比べて数十倍の規模があるため、売上拡大を目指す上で、この層に対してアプローチすることは非常に有効な手段となります。
営業パイプラインを上手く回すための基本概念
上記では潜在顧客とリード(見込み顧客)の違いを説明しましたが、営業活動を効率化するためには、まずは営業パイプラインを上手く回すための基本概念を知っておく必要があります。
1)リードの掘り起こし
はじめに、新規開拓において、潜在顧客からリードを発掘し、獲得することが大前提となります。マーケティング活動や各種イベント、ウェブサイトなどさまざまな方法を通じて、積極的にリード候補を探し出さなくてはなりません。
2)リードナーチャリング
次に、獲得したリードを育成し、ニーズを的確に把握しながら、信頼関係を築いていく必要があります。そして、すべてのリードを同じ扱いにするのではなく、購買意欲、予算、タイミングなどの観点から優先度を判断し、重点的にアプローチすべき顧客を選別していきます。CRMツールなどの顧客管理ツールを活用しながら、各リードが営業プロセスのどの段階に位置するかを常に把握し、次の行動へとスムーズに移行させる必要があります。長期間反応が得られないリードについては、一定の期限を設けた上で、リソースの無駄遣いにならないよう、適切にそぎ落とす判断力も求められます。
3)効果測定と改善
最後に、定期的に振り返りと改善を怠らず、成約率や生産性を分析し、プロセスの課題を見つけ出すことが大切になります。上手くいかない部分は迅速に改善し、よりスムーズな営業活動を目指す必要があります。
このように、リードの発掘から育成、評価、移行管理、そして改善に至るまで、一連の流れを確実に実践することで営業活動を効率的に行うことができます。
潜在顧客からリードを掘り起こすポイント
漠然とした潜在顧客の中から、自社の見込み顧客となりうるリードを掘り起こすにはどのようなステップを踏めば良いのでしょうか?
ターゲット層の明確化
まず、自社の製品やサービスに最も関心が高いと思われる潜在顧客層を特定する必要があります。業種、職種、課題、ニーズなどから徹底的に分析し、ペルソナを作成します。
潜在顧客の特徴と顕在化のサインを見逃さない
顧客を見込みからリードへと変換する際に重要なのは、潜在顧客の特徴や顕在化のサインを見逃さないことです。潜在顧客は特定の特徴を持ち、顕在化の兆候を示すことがあります。これらの特徴やサインを見逃さずに捉えることで、リード獲得につなげることができます。顧客の行動を追跡し、そのパターンを分析することで、顕在化の兆候を見逃さないようにしましょう。
リードからの興味関心の高いコンテンツを提供(ナーチャリング)
潜在顧客の関心を引きつけるため、質の高い無料コンテンツを提供することが有効です。ホワイトペーパー、ウェビナー、ブログ記事などで、課題解決の手がかりを示し、信頼を獲得していきます。
マルチチャネルアプローチ
一つのチャネルのみに頼らず、複数の手段を組み合わせてアプローチすることが大切です。ウェブサイト、SEO、メール、ソーシャルメディア、セミナー、展示会などを駆使し、さまざまな角度から潜在顧客に働きかけましょう。
キャンペーンや特典で潜在顧客の関心を惹きつける
特設のランディングページを作成し、見込み客の関心を引くキャンペーンを実施することで、確実にリードを獲得できます。ホワイトペーパーや限定特典の提供が一般的です。ウェブサイトやキャンペーンページにリード獲得フォームを設置する場合、入力項目を最小限に絞るなど、使いやすさに配慮しましょう。
フォローアップで見込み顧客化
リードが質問や問い合わせを通じて、顧客情報を提供した後は、迅速にフォローアップを行いましょう。鉄は熱いうちに打てと言う言葉があるように、興味を持っている段階での早期対応が重要です。
これらのポイントを組み合わせて実践することで、潜在顧客からリードを効果的に掘り起こすことができます。リード獲得の施策については、定期的に成果を検証し、より効果的な手法を見出すPDCAサイクルを回す必要があります。柔軟に改善を重ねることが成功のカギと言えるでしょう。
リードを効果的にナーチャリングするには
潜在顧客の中から昇格したリードを、自社の顧客化へと導くためには、ナーチャリングと呼ばれる育成が不可欠です。顧客の関心やニーズに合わせた適切なアプローチを取ることで、長期的な関係を築き、顧客の購買意欲を高めることが可能です。
課題やニーズを理解する
ナーチャリングの第一歩は、リードのニーズや関心を正確に把握することです。リードがどのような問題を抱えているのか、どのようなニーズを持っているのかを理解しましょう。
見込み顧客を、購買意欲の高さによって分類すると、ホットリードとウォームリードに大別できます。ホットリードは購入の意思が明確であり、すぐにでも商談ができる最重要な見込み顧客です。
一方、ウォームリードは関心はあるものの、まだ購入には至っていない層です。適切なアプローチを行えば、ホットリードに移行する可能性がある重要な層となります。
ホットリードに対しては、課題やニーズを細かく把握し、自社の製品やサービスがどのようにメリットをもたらすのかを迅速つ、かつ明確に示すことが大切です。一方でウォームリードは育成が必要で、定期的なフォローと有益なコンテンツの提供を通じて、信頼関係を構築していく必要があります。
パーソナライズされたコミュニケーションを定期的に行う
ナーチャリングでは、一般的なメッセージではなく、リード個々のニーズや関心に合わせたカスタマイズされたコミュニケーションが重要です。リードに興味を持ってもらうためには、彼らが関心を持つであろうトピックや情報を与える必要があります。
提供できる企業価値の強化
ナーチャリングの過程で、リードに対して常に価値を提供することが重要です。リードの問題を解決するためのヒントやアドバイス、資料の提供など、リードに役立つ情報を積極的に提供します。
リードに合わせた提案でクロージングへ
リードの段階に合わせてアプローチ方法を変えることで、的確な提案を実現できます。例えばホットリードには具体的なデモンストレーションを、ウォームリードにはセミナーの案内を行うなど、リードの状態に合わせてアプローチの手法を変えていきます。また、購買プロセスの進捗状況を常に把握し、次のアクションへとスムーズに移行させることが重要です。課題に対する最適なソリューションを提示し、受注に向けて着実に導いていきます。
関連記事:成功事例に学ぶ、法人営業で効果的なリードナーチャリング手法
成果を測定するための4つの指標
新規開拓を効率化するためには、リードナーチャリングの成果を定期的に測定し、改善点を見つけながら、PDCAサイクルを確実に回していくことが大切です。コンバージョン率や顧客の反応を分析し、戦略を最適化していくことで、より効果的なナーチャリングが可能となります。ここでは、ナーチャリング成果を測定するための主な4つの指標をご紹介します。
エンゲージメント率
エンゲージメント率とは、潜在顧客がコンテンツやキャンペーンにどの程度関与したかを示す指標です。メール開封率や、ウェビナー視聴率、ソーシャルメディア投稿のリンククリック率など、さまざまな観点から測定が可能です。高いエンゲージメント率は、潜在顧客の関心の高さを表します。
コンバージョン率
コンバージョン率は、ウェブサイト訪問者や資料ダウンロード者の何%がリードに転換したかを表します。たとえば、ウェブフォームへの入力が完了した割合や、問い合わせをしてきたリードの数などで測ることができます。コンバージョン率が高ければ、効果的にリードが獲得できていることになります。
リードの進捗状況
獲得したリードが営業プロセスのどの段階にいるのかを追跡することが重要です。顧客管理ツールなどを活用して、顧客の情報を可視化し、ホットリード、ウォームリード、コールドリードなどに分類し、状況を常に把握することで、適切なフォローアップが可能になります。
キャンペーンのROI
潜在顧客の中から、リード化するためのキャンペーンを行った際、最終的には、リード獲得のためのキャンペーンがどれだけの収益をもたらしたのかを測定する必要があります。広告費などのコストに対して、実際の売上がどの程度あったのかを算出することで、投資対効果(ROI)を把握できます。ROIが高ければ成功したキャンペーンと言えます。
これら4つの指標を組み合わせて分析することで、リードジェネレーションの施策が適切に機能しているかどうかが判断できます。定期的な検証を行い、課題がある場合は素早く改善策を取り、プロセス全体の最適化を行いましょう。
潜在顧客から顧客化へ!ナーチャリング成功事例
効果的なナーチャリングを行うことで、リードの関心を持続させ、自社への信頼を高めることができます。ここでは、潜在顧客から顧客化に成功したナーチャリングの実例をご紹介します。リードナーチャリングの極意を学び、自社の営業活動に活かしましょう。
Salesforce
Salesforceは顧客管理および営業支援の分野で世界的に有名な企業であり、リードナーチャリングにおいても優れた成果を上げています。Salesforceは、リードに対してパーソナライズされたコミュニケーションを提供しています。リードの行動や関心に基づいてカスタマイズされたメールやコンテンツを配信し、関係を築いています。
また、Salesforceは『リードスコアリング』と呼ばれる手法を積極的に活用しています。潜在顧客の行動データやプロフィールから、購買意欲の高さを0〜100のスコアで評価するものです。スコアが高いリードには集中的にアプローチを行い、低いリードは別の施策で継続的に働きかけを行うことで、リソースの最適化を図っています。
さらに、マーケティング自動化ツールを活用し、リードの興味関心に応じてパーソナライズされたコンテンツを自動で配信。定期的な質の高いコミュニケーションを効率的に実現しています。このほかにも、リードの行動やインタラクションに基づいてデータを分析し、効果的なナーチャリング戦略を展開しています。データドリブンなアプローチにより、リードのニーズに合った提案を行うことで、新規開拓を効率的に実現しています。
HubSpot
インバウンドマーケティングプラットフォームとして知られるHubSpotが力を入れているのが、コンテンツマーケティングを活用したリードナーチャリングです。潜在顧客のペインポイントに合わせて、ブログ記事、ガイドブック、ウェビナーなどの価値あるコンテンツを継続的に提供することで、リードの興味関心を持続させています。
さらに、ウェブ上の閲覧履歴やダウンロード履歴などのデータを徹底的に収集・分析し、リードの熟成度に合わせて最適なコンテンツを自動で配信するナーチャリングを実践。リード別のきめ細かい対応を可能にしています。
Adobe
Adobeはデジタルマーケティングおよびクリエイティブソフトウェアの分野におけるリーディングカンパニーであり、リードナーチャリングにおいても革新的な取り組みを行っています。
ABMとよばれるアカウントベースマーケティングを重視した施策を展開しており、有望な潜在顧客企業をリストアップし、組織全体に対する戦略的なアプローチを行うことで、ナーチャリングの実効性を高めています。ウェビナーやオンラインイベント、メールキャンペーンなどを駆使して、ターゲット企業にまつわるあらゆるリードに対して一貫したメッセージを発信。さらに、リードの熟成度合いに応じたコミュニケーションを展開することで、効果的なナーチャリングを実現しています。
また、ウェブ、メール、ソーシャルメディアなど、異なるチャネルを活用した総合的なアプローチにより、リードナーチャリングを実行しています。
このように、Salesforce、HubSpot、Adobeといった主要企業が、マーケティングオートメーション、コンテンツマーケティング、ABMなどの手法を実践し、リードナーチャリングの大きな成果を上げています。戦略的かつ継続的な施策が、リードを確実に顧客化へと導く秘訣なのです。
見込み顧客の獲得から顧客管理まで!FutureSearchにお任せ
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アタックリストの綿密な作成からアプローチ方法までを、スムーズで効果的なプロセスでサポートします。
法人情報検索サービス「ビジネスサーチ」
ビジネスサーチでは、ご希望のターゲット企業を効率的に検索・リスト作成できます。キーワード検索に加えて、細かい絞り込み条件を活用することで、ピンポイントな企業リストを簡単に作成できます。顧客像にマッチした法人リストを迅速に取得し、ビジネス戦略に活用することができます。
また、データベースの情報は週次で更新されるため、常に最新の情報をご利用いただけます。
関連記事:欲しい時に、時間をかけずに営業リストを抽出「ビジネスサーチ」のご紹介
問い合わせフォーム営業代行「コンタクトアシスト」
営業代行サービス「コンタクトアシスト」では、企業リストとメッセージを用意するだけで、「お問い合わせフォーム営業」を代行いたします。
コンタクトアシストにお任せいただくことで、フォームごとに繰り返し入力する手間を省き、営業の貴重な時間を顧客フォローや他の重要業務に活用いただけます。また、メッセージ本文にトラッキングURLを挿入することで、サービスサイトや自社ホームページを訪問した企業を確認することができます。さらに、取引先や過去にクレームのあった企業などを除外登録することも可能です。
関連記事:問い合わせフォーム営業自動アプローチサービス「コンタクトアシスト」のご紹介
見込み顧客管理サービス「リードマネジメント」
リードマネジメントサービスでは、見込み顧客を効果的に一元管理できます。営業担当者の活動を可視化することで、潜在する営業課題を明らかにし、売上や利益の最大化を実現します。顧客とのアクション履歴を詳細に登録・管理できるため、いつ、どのような対応を行ったかを把握しやすくなります。
次回のアクションや適切なアプローチ手段を管理することで、無駄のない効率的な営業活動をサポートします。リードマネジメントサービスは、営業チームの成果を最大化し、顧客との関係構築を強化するための強力なツールとしてご活用いただけます。
関連記事:営業活動を可視化!顧客管理機能「リードマネジメント」のご案内
ABMを最大限に効率化できる営業DXツール「Sales Radar」
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関連記事:本当に見つけたいターゲットに出会える営業DXサービス
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関連記事:【新規アポ獲得・営業リスト整備をサポート】「営業リスト作成・メンテナンス」「リード獲得」「営業メール自動送信」嬉しい機能満載のサービスで営業効率化!
まとめ:継続的なフォローが成約につながる
リードナーチャリングにおける成功事例から明らかなように、特にBtoB営業において一過性のアプローチでは不十分であり、リードへの継続的なフォローアップは非常に重要です。リードとの継続的な接点を持ち、価値あるコミュニケーションを絶やさずに行うことで、信頼関係を構築し、確実に成約へとつなげていくことができるのです。
リードナーチャリング成功の鍵は、地道かつ着実にリードを育成し続けること。潜在顧客に対する戦略とさまざまな手法を重ね、あくなき努力を払い続けることで、必ずや良い結果が待っているはずです。