インサイト営業とは?ソリューション営業との違いや事例を解説
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見込み顧客に自社の商品・サービスを提案し、契約に結び付ける新規開拓。
日々移り変わるビジネス社会においても、営業はこれまで様々な手法で新規顧客を勝ち取ってきました。
その中で一度は耳にしたことがあるであろう「インサイト営業」。
またを「インサイトセールス」と言う言葉。
インサイドセールスとも似ているけれど、本来の意味や目的についてははっきりと理解できていない、そんなあなたにビジネスパーソンとして知っておきたい、インサイト営業の意味やソリューション営業との違い、インサイト営業の具体事例について解説していきます。
この記事はこんな方におすすめです |
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もくじ
- 顧客を洞察し、課題を発見する「インサイト営業」とは?
- 「インサイト営業」に必要な6つのスキル
- 実は身近なところに。インサイト営業の成功事例
- セールス初心者必見!インサイト営業の教本
- インサイト営業を成功に導く、「深耕」とは?
- 営業課題解決の味方!FutureSearchの営業支援ツール
- まとめ
顧客を洞察し、課題を発見する「インサイト営業」とは?
あなたは新規顧客開拓の際、見込み顧客に対し、どのようなアプローチを行っているでしょうか?
単純に商品・サービスの紹介がメインになる人もいれば、見込み顧客が抱えている課題をヒアリングし、自社の商品・サービス提供につなげる人もいるのではないでしょうか。
インサイト営業のインサイト(insight)とは直訳すると『洞察』や『発見』という意味を持ち、顧客自身が気付いていない潜在的な課題を洗い出し、その課題解決に向けた提案を行う営業のことを表します。
インサイト営業は、2012年にダイヤモンド社の「DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー」に掲載されたブレント・アダムソン ,マシュー・ディクソン ,ニコラス・トーマンの「ソリューション営業は終わった」という論文が発祥と言われています。
この論文発表後、日本でもインサイト営業という手法が注目を集め、新規開拓にインサイト営業を取り入れる企業も増えてきました。
「インサイト営業」はなぜ必要か
なぜインサイト営業という手法が注目を浴びはじめたのか。その背景には日本社会のデジタル化が要因として挙げられます。インターネットやスマートフォン、アプリの浸透に伴い、誰もが欲しい情報をいつでも手軽に収集でき、課題解決に向けた知見を集めることができるようになりました。BtoB営業においても、多くの見込み顧客がセールス担当者と会う前に事前のリサーチにより購買の意志決定が済んでおり、自分で調べればわかることを提案してくる営業に対して価値を感じることがなくなってきました。
そんな中、インサイト営業は見込み顧客さえも気づいていない自社の課題を見出し、解決策の提案を行う手法のため、見込み顧客にとって価値の高いパートナーとして求められることが増えてきているのです。
「インサイト営業」を行うメリット
見込み顧客にとっては、まだ自社でさえ気付いていない潜在的な課題を洗い出し、解決策を提案してくれるインサイト営業にはとてもメリットがあります。
一方で、セールス側としても、インサイト営業を行うことで、すでに顕在化している課題に対して、見込み顧客が少し調べればわかるような解決策を提案してくる競合・他社の営業よりも、潜在化している課題に対し先手を打って解決策を提案してくれるインサイト営業の方が、見込み顧客側も価値を感じ、興味を持って話を聞いてくれやすいといったメリットがあるのです。
「インサイト営業」と「ソリューション営業」の違い
インサイト営業と比較される営業手法のひとつに、ソリューション営業があります。
ソリューション営業とは、提案型営業とも呼ばれ、見込み顧客との対話を通じて抱えている課題をヒアリングし、その課題解決(ソリューション)に向けた提案を行う営業手法のことを言います。
これこそが、前述したすでに顕在化している課題をヒアリングして自社の商材の提案を行う手法であり、これらの手法はデジタル社会が進む中で、すでに飽和し一本縄では通用しないものとなってきています。
「インサイト営業」に必要な6つのスキル
見込み顧客がまだ気づいていない潜在的な課題を洞察し、解決に向けた提案を行うインサイト営業。
インサイト営業をスムーズに実践するために必要なスキルとはどのようなものなのでしょうか?
(1) 業界動向や顧客など多方面にアンテナを張る情報収集力
インサイト営業は、見込み顧客ですらまだ気付いていない自社の潜在的な課題を見出すことが大切です。そのためには、業界動向や、競合企業の動きなど、様々なニュースにアンテナを張り、必要な情報を集めておく必要があります。
(2) 顧客と率直に対話できるコミュニケーションスキル
次に大切なのが顧客との情報共有や意思疎通をスムーズに行うコミュニケーションスキルです。コミュニケーションとは、片方が持っている情報を相手に一歩的伝えるのではなく、双方が持っている情報を共有し、対話を通じて意思疎通を図ることが大切です。
(3) 顧客の声に耳を傾けるヒアリング力
そして、そのコミュニケーションの中で重要なのが、相手の話にしっかりと耳を傾ける傾聴力。このヒアリングを通して、相手がまだ気付いていない潜在的な課題のヒントが見えてくることがあります。
(4) 顧客自身がまだ気付いていない本質的な課題を見出す洞察力
インサイト営業の成功の鍵を握るのが、見込み顧客が把握していない隠れた課題に目をつけ、掘り下げていく洞察力です。この洞察を行うためには、深い知識レベルと、思考力を鍛えることが大切だと言われています。
(5) 課題に対し、根本的な原因と解決策に向けた仮説立案力
そして、見つけた課題に対して、その要因は何なのか、それを自社の商品・サービスを使ってどのようにして解決に導いていくことができるのか、仮説を立て、戦略を立案していきます。そのためには、様々なフレームワークなどを実践し、あらゆる可能性を考えながら最適な方法を立案していくことが重要です。
(6) 課題解決に向けた顧客への提案力
最後に、受注可否の決め手を担うのが営業の提案力です。その提案は見込み顧客の課題解決の最善策であるのか、具体性を元にしっかりと相手の心に響くプレゼンテーションが大切です。
これら6つのスキルを鍛えることで、見込み顧客に重宝される両社にとってwin-winの関係を構築した真の営業を行うことができるでしょう。
実は身近なところに。インサイト営業の成功事例
インサイト営業では実際にどのような効果が見られるのでしょうか?
その成功事例をいくつかご紹介します。
大戸屋
素材と店内調理にこだわる、定食の「大戸屋ごはん処」を展開する大戸屋。国内外で、和食を中心とする外食チェーンストアを運営しています。これまでファミリーや男性利用が多かった大戸屋に女性客を新たに取り組むためのインサイトとして、定食屋に女性が一人でも入りやすくなるよう、店舗を建物の2階以上、または地下に構え、入店するところを他の客から見えづらくなるよう戦略を実行し、見事に女性客の獲得に成功しました。
コンビニエンスストア
駅や職場の近くなど、いつでも手軽に立ち寄れるコンビニエンスストア。しかし、その手軽さゆえ、多くの顧客が買い物バックを持たず、手ぶらで来店していることが多いことに気付いたコンビニ各社は、店内に買い物かごを設置。すると、これまで手で持てる数点程度だった購入点数が一気に増え、客単価の向上に大きく寄与しました。
不動産系広告会社
某大手不動産系企業の営業部では、とある営業担当者が自身のクライアントである企業の定例会議にも参加。クライアントの業績低迷の原因を追究し、ともに課題解決の糸口を見つけ、業績回復に寄与しました。このことから二社の企業間に信頼関係が構築され、自社の売り上げも大きく伸ばすことができました。
このように、見込み顧客の潜在的な「負」に着目し、その理由を洞察することで、最も効果的な戦略を打ち立てることができるインサイト営業。
定期的に見込み顧客にコンタクトを取り、御用聞きをしているけれど、ソリューション営業がうまくいかないとお悩みのビジネスパーソンは、ぜひ今日からインサイト営業を実践してみましょう。
セールス初心者必見!インサイト営業の教本
インサイト営業をはじめてみたいけれど、周りで始めている人はいないし、何から手をつけたらいいのか分からない…。そんな方には、まずはインサイト営業の教科書を読んでみるのも良いでしょう。
今回はインサイトセールス初心者が読みたい、インサイト営業の教本を2冊ご紹介します。
実践! インサイトセールス - AIに駆逐されない営業力/高橋 研(プレジデント社)
飛躍的な進化を遂げつつあるAI(人工知能)。営業の仕事もいずれAIに取って代わられるとまで言われています。営業パーソンが、みずからの存在価値を打ち出し、生き残るには?
この書では、これまでの営業活動でやりがちな、4つの大きな間違いから、他社の比較されないためにしなければいけないこと、インサイトセールスを成功に導くために経営トップと何を、どう話せばいいのか?など、インサイトセールスの実態とAIに負けない営業力を培うイロハを解説している一冊です。
ソリューション営業は終わった - 調査が明かす新たな営業アプローチ/ブレント・アダムソン ,マシュー・ディクソン ,ニコラス・トーマン(ダイヤモンド社)
2012年、DIAMOND社の「ハーバード・ビジネス・レビュー」に掲載された論文である本著。BtoBの購買担当者はこれまでよりも十分に準備をし、学習した状態で商談に臨むようになっています。多くの場合、すでに求めるソリューションまで考えてきているので、何を求めているかをオープンクエスチョンで診断しようとするソリューション営業のアプローチは歓迎されません。論文では顧客に対する深い理解を活用して購買担当者との間に信頼関係を確立するインサイト営業の重要性について学ぶことができます。
デジタル化社会が進み、買い手側の情報収集力もアップしている昨今、インサイト営業は新規開拓の強みとなります。これらの書籍なども参考に、ぜひあなたなりのインサイト営業を実践していきましょう!
インサイト営業を成功に導く「深耕」とは?
インサイト営業は、既存顧客が抱えている潜在的な課題やニーズを商談の中で引き出しながら提案を行い、売り上げを高めていく手法です。そのためには、見込み顧客の深耕がカギを握っています。
深耕とは、田畑を深く耕すことを意味し、新規開拓において、田畑は見込み顧客、耕す人は営業で例えられています。
見込み顧客の畑の奥底に隠されている課題やニーズを深堀りして打ち手を提案し、課題解決でアップセル・クロスセルにつなげていくことが、インサイト営業の成功の是非を握っていると言えるでしょう。
関連記事:深耕営業とは?既存顧客アップセルを成功に導く営業手法を解説!
営業課題解決の味方!FutureSearchの営業支援ツール
見込み顧客を生み出し、効率的なアプローチを行い、アポ数を増やし、受注率を上げる…このように営業は日々多くの課題を抱えています。
新規開拓において、これらの営業の負荷を効率化させることで、営業効率を大きく向上させることができます。
FutureSearchは、そんなビジネスパーソンの負荷を軽減し、アポ獲得までの工数を大幅に削減、顧客情報管理の手間を圧縮できる、ワンストップソリューションです。
FutureSearchの営業支援ツールはこれまで、幅広い業種の企業様に活用していただいております。
見込み顧客創出の課題解決「ビジネスサーチ」
企業検索・リスト作成サービス「ビジネスサーチ」では、ターゲットとしたい企業を検索・リスト作成ができます。キーワードでの検索のほか、詳細な絞り込み条件を用いてピンポイントな抽出ができ、顧客像にマッチした法人リストを簡単に作成することが可能です。
データベースの情報は週次で更新されるので、いつでも新鮮な情報が手に入ります。
また、自社サイトにタグを設置し、サイトに訪れた企業の顔ぶれを可視化する「サイト訪問企業一覧」機能では、自社へ興味を持っている見込の高いユーザーをリスト化しダウンロード可能。確度の高いアタックリストとしてお使いいただけます。
関連記事:欲しい時に、時間をかけずに営業リストを抽出「ビジネスサーチ」のご紹介
アポ取りのアプローチを自動化「コンタクトアシスト」
お問い合わせフォーム営業代行サービス「コンタクトアシスト」では、配信したい企業のリストとメッセージをお預かりし、反応率の高いお問い合わせフォーム営業を代行いたします。フォームごとに何度も同じ情報を繰り返し入力するといった面倒な作業を、コンタクトアシストにお任せいただくことで、余った時間を顧客フォローなどに有効活用いただけます。
また、トラッキングURLの設置でDMに興味を持った企業を抽出。データ化された配信結果でアフターフォローも効率よく、効果検証しながら様々なビジネスチャンスに繋げられます。
関連記事:自動営業アプローチ機能「コンタクトアシスト」のご紹介
顧客情報を一元管理&可視化!「リードマネジメント」
見込み顧客管理サービス「リードマネジメント」は見込顧客の情報をシステム上で簡単に一元管理。顧客へいつどのようにアクションをしたのか登録・管理でき、顧客のステータスが一覧で見えるので、今やるべきことが明確になります。
また、営業担当者の活動を可視化することで、見えていなかった営業課題を浮き彫りにし、営業の売上・利益の最大化を実現します。
関連記事:営業活動を可視化!顧客管理機能「リードマネジメント」のご案内
企業のリリース情報一括収集サービス「リリースタイムズ」
業界の最新ニュースや、競合の動向など、指定した企業のリリース情報が一括で収集でき、メールで受け取れる「リリースタイムズ」。
1社ずつ確認する手間が省けるので、隙間時間にメールを確認するだけで、毎朝いつでもフレッシュな情報を得ることができます。また、取引先や競合他社、見込み顧客など、用途によってグループ分けができるので情報が入り乱れることもありません。
空いた時間で効率よく情報収集いただけます。
関連記事:リリースタイムズなら気になる企業の最新リリース情報を毎日お届け
ハウスリストへの最新企業データ付加サービス「データプラス」
「データプラス」はお手持ちのリストでデータが古くなったものや、アプローチのための情報が不足している営業リストなどに、FutureSearchが持つ企業データベースの最新企業データを付加できます。眠ったままのリストの再活用にお役立ていただけます。
初期費用ゼロ、月額プランをご契約でない方でもご利用いただけます。
リストを最新情報にアップデートすることで、欲しかった情報が入手でき、簡単に名寄せができるため、今あるリストを"顧客管理資産"として確実に蓄積できるようになります。
関連記事:面倒な営業リストのデータクレンジングは「データプラス」で簡単整備!
狙った企業群へピンポイントに広告表示「ターゲティングアド」
FutureSearchが提供するターゲティング型広告「ターゲティングアド」は、広告配信プラットフォームを介し、業種等でターゲティングされた特定の企業群に向けて広告を配信できます。
コンタクトアシスト(お問い合わせフォームへのDM配信)以外のアプローチ手法や、認知度向上の手段としてご活用いただけます。
IPアドレス情報を基に企業をターゲティングし、業種等で特定した企業群に向けて広告を配信。ご要望に合わせて、配信企業を選定してのアプローチが可能です。
関連記事:55,000円から始められるターゲティング型広告「ターゲティングアド」
何かと手のかかるリスト作成やアポイント取得。
FutureSearchではアタックリストの作成からアプローチまでの作業を効率化し、営業パフォーマンスアップの後押しをいたします。
専任担当によるキックオフミーティングや、営業支援ツールの使い方レクチャーなど安心・充実のカスタマーサポート、活用のためのお役立ちコンテンツなど、これまでに培ってきた多くのお客様へのサポート実績を生かし、専任担当がお客様のお悩みやご要望に合わせたFutureSearchの活用方法をご提案いたします。
これまでの非効率な営業習慣を大きく変える、FutureSearchの営業支援ツールをぜひご体感ください!
問い合わせフォーム営業に興味はあるけれど、他社では効果が出なかった、はじめてで不安という方は、まずは無料トライアルをぜひ一度お試しください。
まとめ
いかがでしたか?
今回はデジタル化社会における、BtoB営業でも重宝される営業になるための「インサイト営業」の意味、そしてソリューション営業との違い、インサイト営業の具体事例について解説しました。
顧客から選ばれ頼りになる営業になるため、洞察力を磨き、価値ある提案を実践していきましょう!