旅先で働く?今注目の「ワーケーション」導入事例と効果
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「ワーケーション」してますか?
ワーケーションとは、「Work」(労働)と「Vacation」(休暇)を組み合わせた造語で、観光地やリゾート地でリモートワーク(テレワーク)を活用し、働きながら休暇をとる過ごし方のことを指します。
そもそもリモートワークとの違いは何なのか?休暇と仕事の線引きはどのようにするのか?効率はどうなのか?様々な疑問が浮かんできます。
今回は、ワーケーションとリモートワークの違い、メリット・デメリット、実際のワーケーション体験から学ぶ注意点について詳しく解説します!
この記事はこんな方におすすめです |
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もくじ
- 「ワーケーション」と「リモートワーク」の違い
- 「ワーケーション」のニーズはあるのか?
- 「ワーケーション」のメリット・デメリットは?
- お寺で寺ワークも!?「ワーケーション」導入事例
- 「ワーケーション」を行う上での注意点
- 営業でも「ワーケーション」を活用する方法とは?
- まとめ
「ワーケーション」と「リモートワーク」の違い
ワーケーションとは先述の通り、観光地やリゾート地でリモートワークを活用し、働きながら休暇をとる過ごし方のことを言います。
つまり、自宅やサテライトオフィスなど、一般的に会社に許可された場所で業務を行うのではなく、 自由な場所で休暇時間の合間にリモートワークで仕事をするスタイルがワーケーションなのです。
日本航空(JAL)では、2017年7月から働き方改革に伴う新しいテレワークのひとつとしてワーケーションを本格的に導入し、 パイロットや客室乗務員を除いた一部社員が毎年7~8月のうちに最大5日間のワーケーションを取得するという働き方をスタートさせました。
2017年度夏期は11名、2018年度夏期は78名と年々利用者が増加し、年次有給休暇の取得促進とともに、 旅先での業務を認めることで仕事に対するモチベーションアップやリフレッシュ効果がありました。
「ワーケーション」のニーズはあるのか?
8月中旬に日本旅行、We'll-Being JAPAN、あしたのチームの3社によって共同で実施された「ワーケーションに対する意識調査」の結果によると、 社員側を対象とした調査では、ワーケーションについて、「非常に興味がある」(23.8%)、「少し興味がある」(38.2%)と興味を持つ回答が6割を超え、関心の高さが伺えます。
同調査で経営者に向けた質問の中で、自身のワーケーションの実践状況について、 「頻繁にある」(17.6%)、「何度かある」(30.0%)と約半数がワーケーションを経験したことがあると回答し、社員側を対象とした調査では、 ワーケーションについて、「非常に興味がある」(23.8%)、「少し興味がある」(38.2%)とする回答が多く、経営者同様にワーケーションへの関心の高さが示されました。
「ワーケーション」のメリット・デメリットは?
ワーケーションは、仕事と休暇を融合させた新しい働き方として注目を集めています。しかし、すべてがバラ色というわけではありません。メリットとデメリットの両面から、この働き方の本質を理解することが重要です。企業と個人の視点から、ワーケーションがもたらす可能性と課題を詳しく紐解いていきましょう。
ワーケーションのメリット
ワーケーションを行うメリットとしては、「リフレッシュすることで生産性が向上する」(47.3%)、 「家族との時間やプライベートな時間の確保がしやすくなる」(38.9%)との回答が多く占め、 この他にもワーケーションのメリットとして「色々な場所に行くことで、会社にいたらできない自分の見識を広げる機会になる」や「都会の煩わしさから解放される」といった声がありました。
ワーケーションのデメリット
一方のデメリットとして「休暇が結局仕事になる可能性がある」(51.1%)、「どこまで勤怠をつけて良いのかわからない」(47.1%)というワーケーション制度への不安として、 「きちんと評価されるか」、「会社の人とコミュニケーションが取りづらい。急に出社する事態が起きたとき、対応するのが大変」という回答がありました。
お寺で寺ワークも!?「ワーケーション」導入事例
近年始まったばかりに思われるワーケーションですが、すでに実践している企業事例は多く存在します。ここからはワーケーションを取り入れた企業の事例を見ていきましょう。
導入事例1:A社(データ分析・コンサル業務)
株式会社三菱地所が提供している「南紀白浜 WORK×ation Site」施設を利用。
利用目的
社員の発想力・創造力向上に加え、従業員満足度向上やリクルーティングの観点からも非常に有用な取り組みと考え、1泊2日での開発合宿や、 1ヶ月程度の中期滞在型サテライトオフィス等の用途で活用。
参加者の声
白良浜の海を眺めていると別世界に飛び込んだようなリフレッシュ感がある。
その頭でオフィスに戻るとよりクリエイティブな発想が湧いてくるようで、大変心地良く仕事に取り組むことができた。
導入事例2:野村総合研究所
徳島県三好市で築100年以上の古民家を改装し、サテライトオフィス兼宿泊場所として年に3回、約1カ月間ずつ従業員を派遣。
利用目的
働き方改革の一環として、多様な働き方を受け入れられる技術環境が整い、デジタルワークプレイスの実現が可能となった。
有給休暇の取得促進策として休暇先での就労を認めれば長期の連続休暇も取りやすくなると考え、ワーケーションを導入。
参加者の声
集中してじっくり考えられる分、新しい発想が浮かびやすい。
宿泊施設がオフィスのため、朝のスタートダッシュがとにかく早く、1日が有効に使える。
導入事例3:C社他複数企業
お寺とテクノロジーでわくわくする空間を!をミッションに『お寺ステイ』を運営する株式会社シェアウィングが企画した、 都心から離れた地方のお寺ならではの静かで落ち着く環境のよい場所で自分を見つめ、 テレワークの合間にお寺ならではの体験である写仏や瞑想なども体験することができる「寺ワーケーション」プランに参加。
利用目的
土地の歴史と魅力の染み込む「お寺」という場で「集中して働く +心を整える + 地域を知る + 地域を楽しむ!」という4つの要素でワクワク働く新たな過ごし方を体験したいと考え導入。
参加者の声
天井が高く静かな空間で集中できた。
心を落ち着かせながら仕事ができたのでとても仕事が捗った。
また、仕事の合間にお寺らしい体験ができたのがよかった。
このように、1泊2日から手軽に行えるものから、リゾート地やお寺といった非日常空間で付加価値体験をしながら働くというスタイルが参加者から高い評価を得ています。
この他にも、ワーケーション利用者からは「リモートワークの推進で在宅業務を続けるなかで、リフレッシュなどの面において改めて外出することの重要性を実感した」、 「初めは仕事と休暇の線引きが曖昧になるのではという不安があったが、うまく折り合いをつけることができたら非常に有意義である」、 「ネット環境はもちろん、旅館だと座椅子が多い場合があるのできちんと作業スペースのある宿泊施設を選ぶと良いと思った」といったワーケーションへの今後の期待が伺えました。
「ワーケーション」を行う上での注意点
実践者からは高評価のワーケーションですが、実際に行う上での注意点はどのようなものがあるのでしょうか?
1. セキュリティ対策が必要
ワーケーションの場合、カフェや屋外などオフィス以外の場所から業務を行うため、PCやUSBメモリ、HDDといった機器・記録媒体の物理的な紛失リスクや、 覗き見・書類置き忘れによる情報漏えい、セキュリティ面での対策が不十分なネットワークを利用してしまったというケースも想定されます。
これらのセキュリティ課題への対策として、持ち出し機器には「パスワード」「コピー制御」をつける、遠隔データ消去機能を用意するといった、万が一のリスクに備える準備が必要です。
2. 労働時間の管理が困難
ワーケーションの場合、旅先で仕事をするワークスタイルのためリモートワークと同様に労働時間の把握が困難という課題があります。
旅先で仕事を行う上でのルールの整備や、リモートワークに対応した勤怠管理システムの導入を検討する必要があります。
3. 評価制度の見直しが必要
オフィスでは管理者の目が行き届くため、勤怠管理や人事評価、教育などにおいて細かいケアが可能です。
しかし、ワーケーションの場合は、お互いの顔が見えないので、これまでのマネジメントの方法が通用せず、労働時間などでの評価が難しいため、 成果物や実績などを重視した評価制度への見直しが必要です。
4. コミュニケーションが図りにくい
オフィスでは社員同士が常に顔を合わせるので、綿密な情報交換が可能です。
他にも雑談によってリフレッシュする効果や新しいアイデアが浮かぶというメリットがあります。
一方で、ワーケーションの場合、物理的な距離があるため、社員同士の対面でのやりとりがなくなりコミュケーションのスピードや質も低下するという課題があります。
5. オン/オフの切り分けがしにくい
ワーケーションでの最大の課題は休暇中に仕事を行うというスタイルのため、オン/オフの切り替えが難しいという点です。
せっかくリフレッシュをしに来たのに、場所を変えただけでずっと仕事に追われていた、仕事が気になって休暇を楽しめなかったということのないように、 パソコンに触れる時間を制限するなど労働時間を決めることで、業務時間とバカンスを上手に切り分け、労働時間中は集中して業務を行い、しっかりとリフレッシュすることが大切です。
営業でも「ワーケーション」を活用する方法とは?
一見、営業職には関係がないと思われがちなワーケーションですが、リモート対応可能な営業支援ツールを活用すれば、従来対面営業が基本と考えられていた営業もワーケーションの活用が可能です。
ワーケーション対応可能な営業支援ツール
FutureSearch(フューチャーサーチ)は、つながりたい企業のリストが簡単に取得でき、企業HPのお問合せフォームへのアポイントメールを一括送信できる営業支援ツールです。
- 営業リスト作成サービス「ビジネスサーチ」
- 営業リストの情報最新化サービス「データプラス」
- 問い合わせフォーム営業代行「コンタクトアシスト」
オンライン上でどこからでも使える、これら3つの営業支援ツールがあれば、ワーケーション先から見込み顧客へ効率的にアプローチが可能です。
また、営業の人材不足や労働時間削減といった企業のお悩みも一挙に解決可能です。
営業だからワーケーションは利用できない…とあきらめていた方は、ぜひご活用ください!
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まとめ
テレワークの一般化に伴い、新たな働き方として期待を寄せられている「ワーケーション 」ですが、企業での導入ができるかの鍵は、 労務管理や評価制度などの制度面の整備と、リモート対応可能なツールの導入が鍵を握っていると言えるでしょう。
ワーケーションを活用したリモートワークにおいても、営業やミーティングができるオンライン営業支援サービスを使って、今後も多様化し続ける働き方に対応して行きましょう!