オンラインでの新規顧客開拓を成功に導く4つのポイント
更新日:
2020年頃を境にビジネスを取り巻く環境は世界的に変化し、リモートワークや在宅勤務の浸透、非対面ビジネスの推奨により、企業の新規開拓営業は非常に難しくなってきています。
このような状況下でも営業として成果を出し続けていくためには、うまくオンライン営業を取り入れていく必要があります。
しかし、複数の見込み顧客とアポを取り、双方向のコミュニケーションを取りながら受注に至るまでには、対面営業と比較しても様々なポイントを乗り越えなければなりません。
今回は、オンラインでの新規顧客開拓を成功に導く4つのポイントをご紹介します。
新規顧客開拓のステップとオンライン化の実態
BtoBビジネスにおいて売り上げを伸ばすためには、新規顧客開拓を疎かにすることは出来ません。
非対面ビジネスが特に推奨されている昨今、ビジネスのスタイルにも大きな変化が生じています。
かつて足で稼ぎ、対面での商談が誠実と言われていた営業も今は昔。
リード(見込み顧客)の獲得から、育成、そして商談・受注に至るまでの営業プロセスすべてにおいて、オンライン化の波が押し寄せています。
2020年にベルフェイス株式会社が全国の営業職の男女500名を対象に行った「オンライン営業に関する調査」によると、9割以上の営業職が 『オンライン営業の機会が増えた』と回答していることからも、実態としてこの数年で営業のオンライン化が急速に進んでいることが分かります。
営業プロセスがオンライン化したことで、実際にはどのような変化が生じたのでしょうか?
下記はリード獲得から受注に至るまでの新規顧客開拓のプロセスを表したものです。
従来、リード獲得ではテレアポやリアルイベントが果たす役割が大きく、「対面で」「足で稼ぐ」という営業のイメージがつきものでした。
しかし、現在では「会えない」ことが前提となり、展示会などのイベントもオンライン上で行うなど、対面から非対面へとリード獲得方法も大きくシフトしています。
加えて、リード育成についても定期的な訪問もオンライン化へ切り替えが進み、SNSやメルマガなどデジタルマーケティングを活用したリード育成の活用が進んでいます。
さらに、商談や契約といった従来は対面が当たり前だったプロセスにおいても、オンライン上で実施・締結することができ、 結果として訪問時にかかる移動時間やコストの削減という嬉しい副産物も生まれています。
関連記事:テレワーク・オンライン商談の成果とは?非対面営業のリアル
新規顧客開拓のオンライン化で生まれた新たな課題
新規顧客開拓をオンライン化したことにより、マーケットの拡大や移動時間・コストの削減といった様々なメリットがある一方で、特に商談時において様々な課題が生じています。
前述の調査によると、「ツール使用時、時間をロスした経験がある人」は8割以上という回答に。
さらに、「資料共有や進め方で困ったことがある人」は86.6%にものぼるなど、オンライン営業において資料が映らない、 ツールによっては起動するまで時間がかかるといった対面営業時にはなかった課題に直面していることが分かりました。
これらの他にも、対面時と比較すると「相手の温度感がわからない」といったコミュニケーションに関する課題も生まれています。
しかし、これらの課題は事前の準備次第でたやすく解決することが出来ます。
オンラインでの新規顧客開拓を成功に導くためには、商談時において下記のポイントを抑えておくことが大切です。
POINT1:ネット環境を整える
オンライン上でスムーズな商談が行えるよう最初に行いたいのが、ネット環境の確認です。
オンライン商談システム上で資料を共有する場合、回線に負荷がかかります。
負荷が生じた際、読み込みに時間がかかったり、音声が聴こえなかったり、会議が途中でストップしてしまったりと、せっかくの良い流れを断ち切ってしまう可能性があります。
このような機会損失を生まないためには、スムーズにサクサクと操作できるようなネット回線を整えることが大切です。
また、大事な会議での資料がウイルス対策ソフトに引っかかってしまうといった事態を防ぐためにも、回線速度と、セキュリティソフトの設定も同時に確認を行いましょう。
POINT2:ツール設定の事前確認を徹底する
オンライン商談時に資料を共有する際、「スムーズに動かない」、「資料が映らない」、「資料の見てほしいポイントを上手く指し示せない」といった課題が生じがちです。
スムーズな資料共有を行うためには、事前のツール設定とシミュレーションが肝です。
今後もオンライン営業・打ち合わせ等は増えていくことが考えられます。
そのため、商談を成功に導くためにはいかに効率的かつ有効にオンライン営業を行えるかが重要となってきます。
POINT3:伝えたいことのゴールを明確にする
限りある商談時間の中で、自社のサービスや商品の特徴を一生懸命伝えようとしても、 相手が聞いてもいないことをダラダラと長く話していては、残念ながらその良さや熱意は全く伝わっていません。
「買わせよう」という気持ちばかりが相手に伝わり、思うような成果には結びつかないことがほとんどです。
短い商談時間の中で成約を勝ち取るためには、相手が求めている情報を正しく円滑に伝えることが大切です。
伝えたいことのゴールを明確にし、その中で自社の製品やサービスを活用した成功事例や、相手にとってメリットのある提案を盛り込みましょう。
相手にとって自分の事を考えてくれている提案であれば、積極的に意見交換をしてくれ、商談にも前向きな姿勢で臨んでくれるでしょう。
POINT4:相手に質問をする
オンラインでの商談は、対面時と比べると相手の温度感が伝わりにくいというデメリットがあります。
自分だけがだらだらと一方的に話してしまうようなことを避けるためにも、適宜「ここまでで何かご不明点はありますか?」 と相手に質問をし、ワンクッション置き対面よりも細やかな配慮を行うことが大切です。
また、オンライン商談においては「受注商談」と「失注商談」に分け、商談時の振り返り・分析を行うことが大切です。
通話時間や、トークの内容、話者の比率、話すスピードなど、それぞれの商談の比率を分析し、なぜ受注に至らなかったのか、受注に至るための商談のヒントを探してみましょう。
関連記事:ニューノーマルで成果を上げるために営業が磨き上げたい4つの力
新規顧客開拓をより成功に導く、「質の高いリード」と「顧客インサイト理解」
新規顧客開拓の成約率を左右するポイントにおいて、最も重要視したいことは実は「リードの質」と言われています。
それはなぜなのでしょうか?
営業リストの精度が低いと、見込み顧客へのアプローチには労力と時間がかかるだけで、なかなか営業への一歩を踏み出すことができません。
同じ営業リストがあっても営業リストの「質」次第で、アプローチの反響率は大きく異なるのです。
収益を最大化させるためには自社のペルソナ(顧客像)を理解して、ターゲティングされた営業リストを作成し、効率的にアプローチを行う必要があります。
次に重視したいポイントは「顧客インサイトの理解」です。
顧客インサイトとは、顧客の潜在的なニーズのことを言います。
高品質で手ごろな商品やサービスが当たり前になり、消費者が様々な情報媒体から情報収集・比較検討を行える時代となった今、 顧客はより「個客」化し、マス向けのマーケティング施策は通用しなくなってきています。
多くの人が情報で満たされている今、高品質で手ごろな商品やサービスといったありふれている内容を謳うのではなく、個客の心のツボを押さえた新しい「価値」や「体験」を提供することが大切です。
顧客インサイトの理解を行うためには、デジタルマーケティングが有効とされています。
様々なデジタルデータを蓄積し、顧客の様々な購買行動データの収集分析を行い、潜在的なニーズを理解して、商品やサービスの開発に生かし、新しいマーケットを開拓しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
時間と場所に縛られないオンラインでの新規顧客開拓は今後も増え続けることが予想されています。
対面時と比較すると、よりきめ細やかで質の高い商談を行う必要があります。
今回ご紹介したオンライン商談の4つのコツを掴んで成約率UPを目指しましょう!